あんしん住宅ドットコムホーム > テクノストラクチャーとは? > テクノストラクチャー開発物語 > テクノストラクチャーの産声
「今までにない強い木造工法開発」のために、2つのテーマが掲げられました。 まず、住宅の重みによって大きな負荷がかかる柱や梁に鉄骨を用いて、住宅の強度とプランの自由度を飛躍的に高めること。そして、その強さの裏づけとして、一軒一軒すべての住まいで構造計算を行うこと。これは、職人技に頼りがちだった木造工法の常識をくつがえすほどの難事業。おぼろげに見える新工法の姿に向かって、手探りの開発が始動しました。 当時は、建設省(現在の国土交通省 以下略)の外部団体である「財団法人日本住宅・木材技術センター」(以下住木センター)によって、「木造住宅合理化システム認定」が始まったところでした。これは「良質で適切な価格の木造住宅による、合理化した生産供給システム」と判断されたものに与えられる認定です。 まず第一の目標を、この認定を得ることに定めました。
「躯体の一部に鉄を組み合わせた、高強度を実現する新工法」に向けて、開発が急ピッチで進められ、少しずつその仕様が固まっていきました。 そして検討を重ねていく中で、曲げ方向に力がかかる梁には曲げ強度の高い鉄骨を、圧縮方向の力がかかる柱には圧縮強度の高い木材を使用することに決定。さらに接合方法はどうするかなど、毎晩遅くまで調査・検討を重ね、少しずつ新工法の形をつくりあげていきました。 そして新工法の内容がほぼ完成に近づいたころ、開発メンバーは両手に持ちきれないほどの資料を抱え、一路東京へ。 苦労の甲斐あって、平成6年(1994年)5月には、ついに住木センターの認定規準をクリアし、合理化システム認定を取得。工法名は、匠の技(テクニック)とテクノロジーの融合した(→テクノ)構造体(=ストラクチャー)という意味合いを込めて、「テクノストラクチャー(工法)」に決定。 いよいよ発売に向けて本格的な開発が始まろうとしていました。